
Ivy Bridge-Eの最上位「インテル Core i7-4960X Extreme Edition」、NVIDIA Geforce GTX 770(2GB)を搭載した日本HPのハイエンドPC「HP ENVY Phoenix 810-190jp 東京生産 ゲーマーズモデル」のベンチマークです。消費電力やCPU、GPUの温度なども測定しています。
■ベンチマークについて
ベンチマークでは下記のソフト、ツールを使用して計測しています。
NVIDIAドライバーのバージョンは「GeForce 335.23 WHQL」です。
HDD/SSDの基本情報やS.M.A.R.T.情報(電源投入回数や使用時間、温度など)を確認することができるソフト。 | |
HDD, SSD, USBメモリ等の速度を測定するベンチマークソフト。 | |
CPUやマザーボード、メモリなど、ハードウェアの詳細な情報を表示するソフト。 | |
グラフィックカードの詳細情報、動作中のGPUクロック周波数や温度などを表示してくれるソフト。 | |
CPU・GPU・HDDなどの温度を測定するソフト。 | |
ゲーム中のフレームレートを表示できるソフト。スクリーンショットを撮ることもできます。 | |
消費電力(W)、積算電力量(kWh)、積算時間(Hour)、積算電力料金(円)、二酸化炭素量(kg)の5種類が計測できる検電器です。 |
■ベンチマークで使用するHP ENVY Phoenix 810-190jpのスペック

OS | Windows 8.1 Pro (64bit) |
CPU | インテル Core i7 -4960X-EE プロセッサー (3.60GHz-4.00GHz, インテルスマート・キャッシュ15MB,6コア/12スレッド) インテルターボ・ブースト・テクノロジー2.0 |
CPUクーラー | 水冷CPUクーラー (レッド・イルミネーション) |
チップセット | インテル X79 Express チップセット |
メモリー | 16GB(8GB×2) PC3-12800 (1600MHz) |
ストレージ | 128GB SSD 1TB ハードドライブ × 2 (SATA, 7200回転) |
グラフィックス | NVIDIA GeForce GTX 770 (2GB, GDDR5) |
電源 | 600W Active PFC搭載 |
◆HP ENVY Phoenix 810-190jp/CT(スペックPDF)
■プロセッサー:インテル Core i7 -4960X-EE プロセッサー

Core i7-4960X Extreme Edition プロセッサーは、Ivy Bridge-Eの最上位となる製品です。第3世代Coreプロセッサで採用されたIvy Bridgeマイクロアーキテクチャがベースで、製造プロセスは22nm、L3キャッシュは15MB、TDPは130W、ハイパースレッディングに対応した6コア12スレッドのCPU。対応ソケットはLGA2011(Sandy Bridge-Eと同じ)です。
DDR3-1866に対応する4チャンネルのメモリコントローラーや、40レーンのPCI Express 3.0などもCPUコアに統合されています。
CPU | Core i7-4960X | Core i7-4930K | Core i7-4820K |
開発コード | Ivy Bridge-E | Ivy Bridge-E | Ivy Bridge-E |
製造プロセス | 22nm | 22nm | 22nm |
動作クロック | 3.6GHz | 3.4GHz | 3.7GHz |
Turbo Boostクロック(最大) | 4GHz | 3.9GHz | 3.9GHz |
CPUコア数 | 6 | 6 | 4 |
スレッド数 | 12 | 12 | 8 |
3次キャッシュ | 15MB | 12MB | 10MB |
対応メモリー | DDR3 1866MHz | DDR3 1866MHz | DDR3 1866MHz |
TDP | 130W | 130W | 130W |

CPU-Zで表示される「インテル Core i7-4960X Extreme Edition」の詳細。
定格は3.6GHzですが「ターボブースト・テクノロジー 2.0」で最大4.0GHzまで動作クロックが上昇します。アイドル時は1196.71 MHzまでクロック周波数を下げて消費電力を抑えます。

「インテル X79 Express」はLGA2011ソケット対応の最も上位に
位置づけられるチップセットです。
◆インテル X79 Express チップセット詳細
■ストレージ


MTFDDAK128MAM-1J1はMicron Technology製のSSD。
SSDはHDDよりもデータの読み書きやランダムアクセス速度に優れていて、OS操作時のレスポンスやアプリケーションの起動などが速くなります。特にOSの起動は体感で「速い」とわかるほどです。
容量:128 GB
規格サイズ:2.5インチ
タイプ:MLC
インターフェイス:SATA 6Gb/s
厚さ:7 mm
コントローラー:Marvell製

「MTFDDAK128MAM-1J1」のベンチマークはCrystalDiskMarkを使用。
シーケンシャル・リードは400MB/sを超えましたが、シーケンシャル・ライトは190MB/s前後。最速のSSDではありませんが、4kのような小さいファイルの読み書きはHDDより圧倒的に速いです。
■起動時間
電源スイッチを押してからWindows8.1でスタートメニューが出るまで約20秒でした。※自動サインイン(パスワードを設定しない)での測定。
■ハードディスクドライブ:ST1000DM003-1CH162

CrystalDiskInfoで表示される「ST1000DM003-1CH162 1TB」の情報。
ST1000DM003-1CH162 1TB
容量:1TB
回転数7200rpm
キャッシュ:64MB
インターフェイス:SATA 6Gb/s
規格サイズ:3.5インチ
動作時の平均消費電力:6.19W

ST1000DM003のベンチマークはCrystalDiskMarkを使用。シーケンシャル・リード、ライトともに約180MB/sという数値が出ています。
■グラフィックスカード:NVIDIA Geforce GTX 770

NVIDIA Geforce GTX 770はOEM用ではなくリファレンス仕様です。
GeForce GTX 770は、28nmプロセスで製造されたKeplerアーキテクチャのGPUコア「GK104」をベースにしたGPU。GTX 680 とGPUコアの仕様は同じで、メモリクロックを6MHz→7MHzにして性能を向上させた製品。メモリクロックアップ分の性能向上が見込めますが、消費電力の目安となるTDP(熱設計電力)も195W→230Wに上昇しています。

【CUDAコア】1536
【テクスチャユニット】128基
【ベースクロック】1045 MHz(アイドル時 135.0 MHz)
【ブーストクロック】1085 MHz
【メモリクロック(データレート)】1,753MHz(7,010MHz相当)
【メモリ容量 】2GB GDDR5
【メモリ・インターフェース】256 ビット
【ROPユニット】32基
【最大温度】98℃
【消費電力】230 W
【最小限必要な電力】600 W
【電気接続】6-pin + 8-pin
◆NVIDIA GeForce GTX 770 スペック
■3D MARK 11
DirectX 11専用の3Dベンチマークソフト。プリセットのPerformance(P)でテスト。
【バージョン】3DMark_11_v103

Score:P10434
Graphics Score:10543
Physics Score:11309
Combined Score:8747
ベンチマーク中のGPUクロック周波数(最大値をGPU-Zのログから抜粋)
GPU コアクロック・・・1149.7 MHz
GPU メモリクロック・・・1752.8 MHz
ベンチマーク中の温度(室温 23℃)
CPUの温度(最大値)・・・53.0℃(テスト前 32℃)
GPUの温度(最大値)・・・81.0℃(テスト前 34℃)
GPUクーラーのファンスピード(最大値)
1890 RPM (アイドル時 1110 RPM)
ベンチマーク中のビデオメモリ使用量(最大値)
415 MB
ベンチマーク中のPC全体の消費電力(最大値、モニターを除く)
321W
■3D MARK
DirectX 11を利用したベンチマークや、DirectX 9、DirectX 10の機能を使用したベンチマークができるソフト。
【バージョン】3DMark-v1-2-362

Fire Strike 1.1 [DirectX 11]
Score:6995
Cloud Gate 1.1[DirectX 10]
Score:24534
Ice Storm 1.2 [DirectX 9]
Score:148791
ベンチマーク中のGPUクロック周波数(最大値をGPU-Zのログから抜粋)
GPU コアクロック・・・1149.7 MHz
GPU メモリクロック・・・1752.8 MHz
ベンチマーク中の温度(室温 23℃)
CPUの温度(最大値)・・・59.0℃(テスト前 32℃)
GPUの温度(最大値)・・・81.0℃(テスト前 33℃)
GPUクーラーのファンスピード(最大値)
2040 RPM (アイドル時 1110 RPM)
ベンチマーク中のビデオメモリ使用量(最大値)
1556 MB
ベンチマーク中のPC全体の消費電力(最大値、モニターを除く)
320W
※ベンチマーク中の消費電力は変動します。一部のテストで300Wを超えましたが、大体において200中盤~後半くらいで推移していました。
■CINEBENCH R11.5
コンピュータのパフォーマンスを評価します。

OpenGL:51.07 fps
CPU:10.97 pts
ベンチマーク中のクロック(最大値をGPU-Zのログから抜粋)
GPU コアクロック・・・1045.2 MHz
GPU メモリクロック・・・1752.8 MHz
ベンチマーク中の温度(室温 23℃)
CPUの温度(最大値)・・・58.0℃(テスト前 29℃)
GPUの温度(最大値)・・・44.0℃(テスト前 33℃)
GPUクーラーのファンスピード(最大値)
1140 RPM (アイドル時 1110 RPM)
ベンチマーク中のビデオメモリ使用量(最大値)
566 MB
ベンチマーク中のPC全体の消費電力(最大値、モニターを除く)
152W ※他のテストより低めの結果が出ました。
■ゲームベンチマーク

■ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編
グラフィック設定のプリセット・・・最高品質
スクリーンモード設定・・・フルスクリーン表示
画面解像度・・・1920x1080
スコア:11817
評価:非常に快適
平均フレームレート:107.771
ベンチマーク中のGPUクロック周波数(最大値をGPU-Zのログから抜粋)
GPU コアクロック・・・1149.7 MHz
GPU メモリクロック・・・1752.8 MHz
ベンチマーク中の温度(室温 22℃)
CPUの温度(最大値)・・・54.0℃(テスト前 35℃)
GPUの温度(最大値)・・・81.0℃(テスト前 36℃)
GPUクーラーのファンスピード(最大値)
2040 RPM (アイドル時 1110 RPM)
ベンチマーク中のビデオメモリ使用量(最大値)
1050 MB
ベンチマーク中のPC全体の消費電力(最大値、モニターを除く)
313W
※ベンチマーク中の消費電力は変動します。瞬間的に300Wを超えましたが、大体において260~280Wくらいで推移していました。

■ドラゴンクエスト X ベンチマーク
グラフィック設定のプリセット・・・最高品質
スクリーンモード設定・・・フルスクリーン表示
画面解像度・・・1920x1080
スコア:19053
評価:すごく快適
ベンチマーク中のGPUクロック周波数(最大値をGPU-Zのログから抜粋)
GPU コアクロック・・・1149.7 MHz
GPU メモリクロック・・・1752.8 MHz
ベンチマーク中の温度(室温 22℃)
CPUの温度(最大値)・・・51.0℃(テスト前 36℃)
GPUの温度(最大値)・・・75.0℃(テスト前 36℃)
GPUクーラーのファンスピード(最大値)
1560 RPM (アイドル時 1110 RPM)
ベンチマーク中のビデオメモリ使用量(最大値)
406 MB
ベンチマーク中のPC全体の消費電力(最大値、モニターを除く)
258W
※ベンチマーク中の消費電力は160~240Wくらいで推移していました。

■ファンタシースターオンライン2 キャラクタークリエイト体験版 ver.2.0
簡易描画設定・・・5(最高品質)
スクリーンモード設定・・・フルスクリーン表示
画面解像度・・・1920x1080
スコア:37403
評価:快適に動作すると思われます
ベンチマーク中のGPUクロック周波数(最大値をGPU-Zのログから抜粋)
GPU コアクロック・・・1149.7 MHz
GPU メモリクロック・・・1752.8 MHz
ベンチマーク中の温度(室温 22℃)
CPUの温度(最大値)・・・56.0℃(テスト前 35℃)
GPUの温度(最大値)・・・81.0℃(テスト前 37℃)
GPUクーラーのファンスピード(最大値)
2100 RPM (アイドル時 1110 RPM)
ベンチマーク中のビデオメモリ使用量(最大値)
449 MB
ベンチマーク中のPC全体の消費電力(最大値、モニターを除く)
288W
※ベンチマーク中の消費電力は260~280Wくらいで推移していました。
■PC全体の消費電力(モニターを除く)
電源OFF時・・・0.0W
スリープ時・・・4.5W
アイドル時・・・60W前後
起動時・・・143W(瞬間最大)

■まとめ
ベンチマーク時やゲーム時のCore i7 -4960X-EEの温度は最大で59℃でした。(3D MARK実行時、室温23℃)
Geforce GTX 770の最大クロックは、GPU-Zの表記(Boost時 1085MHz)より高い1149.7MHzまで上昇しました。GPUコアの温度は最大で81℃(室温23℃)で、冷却ファン回転数は1110~2100rpmでした。
高負荷時のPC全体の消費電力は 300W以上になることがあります。最大は「3D MARK 11」の321W。アイドル時はCPUやGPUのクロック周波数が下がり60W前後になります。
GTX 770は新生FF14(キャラクター編)、ファンタシースターオンライン2、ドラゴンクエスト X のゲームベンチマークでは十分すぎる性能を発揮しました。
他のレビュー記事では、Core i7-4960X-EE のオーバークロックやバトルフィールド4のテストもしています。
◆【実機レビュー】HP ENVY Phoenix 810-190jpの外観・内部
◆【実機レビュー】HP ENVY Phoenix 810-190jpのベンチマークテスト
◆【実機レビュー】Core i7-4960X-EE のオーバークロックに挑戦!
◆【実機レビュー】HP ENVY Phoenix 810-190jpでバトルフィールド4をプレイ!
◆HP ENVY Phoenix 810-190jp/CT 東京生産 ゲーマーズモデル 製品詳細
◆HP ENVY Phoenix 810-190jp/CT(スペックPDF)
◆HP ENVY Phoenix 810-190jp/CT サポート(ドライバー・ユーザーガイドなど)
◆マザーボードの仕様、IPIWB-PB (Pittsburgh2)

■2014年夏モデル HP ENVY Phoenix 810-290jp
2014年5月に後継機 Phoenix 810-290jpが発売されました。
●Windows 8.1 (64bit)※Windows 8.1 Update適用
●電源容量が600W→500Wになりました。
●水冷CPUクーラー搭載。インテル Core i7プロセッサー「IvyBridge-E」、
チップセットのインテル X79 Expressの変更はありません。
●旧モデル810-190jpの内部ケーブル類は網目状のチューブで覆われて
いましたが、新モデル810-290jpではチューブが廃止されました。
◆【2014年夏モデル】HP ENVY Phoenix 810-290jp
■レビューについて
※商品仕様/価格については2014年4月9日時点のものです。
※PCパーツのメーカーは販売時期により変更になる場合があります。
※ベンチマークの結果、温度、消費電力などの測定値はPCの使用状況や環境によって異なることがあります。
※できるだけ客観的にレビューしようと心がけていますが、実際の商品を見たり使用したときの感じ方には個人差があります。
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