
HP Spectre x2 のパフォーマンスモデルは動作周波数が高いCore i7-7560Uを搭載していますが、バッテリー駆動時間や動作時の発熱などが気になると思います。この記事では特別なツールなどを使用しないで、プロセッサーの発熱や消費電力を抑える方法をご紹介します。
■目次(ページ内リンク) 下記のリンクをクリックすると目的の場所にジャンプします。 ※[BackSpace]キーでこの位置に戻ります。 ◆ノートPCの消費電力や発熱を抑える設定について ◆プロセッサーの電源管理の設定 ・プロセッサーの最大周波数の設定 [2017/12/03 更新] ◆グラフィックスの電源管理の設定 ◆Core i7-7560U(3.8GHz)を2.3GHzに設定した場合の発熱や消費電力を検証 ◆電源管理の設定で高負荷時の発熱や消費電力を大きく抑えることが可能 | ||||
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ノートPCの消費電力や発熱を抑える設定について |

この記事では特別なツールを使用せず、OSで設定できる範囲で発熱や消費電力を抑える方法をご紹介しています。
具体的には、「プロセッサーの動作周波数を下げる」設定を行います。これにより消費電力や発熱を抑えることができ、バッテリーの持ちが良くなることを期待できます。
この記事のテストでは Spectre x2 12-c000(※速攻レビュー)を使用していますが、下記の機種でもプロセッサーの設定ができることを確認しています。
・HP Spectre x360 13-ac000(※実機レビュー)
・HP Spectre 13-v100(※実機レビュー)
・HP ENVY 13-ad000(※速攻レビュー)
※EliteBook x360 1030 G2(※関連記事)は、SpectreやENVY 13のようにプロセッサーの動作周波数の指定はできませんでした。
※Surface Pro(2017)にはプロセッサーの動作周波数を設定する項目はありませんでした。

【2017/12/03】
Core i7-8550Uの最大動作周波数を調整して、電力効率が最も良い動作周波数を探る記事を作成する予定でしたが、Windows 10 Fall Creators Update(Windows 10 Version 1709)にアップデートすると、プロセッサーの最大動作周波数の項目が削除されていました。1709よりも前のバージョンでは最大動作周波数を変更できたのですが・・・。
【2017/08/04】
この記事の内容を他のノートPCでも参考にしていただけると思ったのですが、機種によってはプロセッサーの設定ができない(設定する項目が表示されない)場合があるので、Spectre x2用の記事としてタイトルや内容を修正しました。
プロセッサーの電源管理の設定 |
まずは「プロセッサーの電源管理」の設定を行います。

画面左下の「Windows アイコン」をクリックします。

スタートメニューの「設定マーク」をクリックします。

Windowsの 設定が表示されたら「システム」のアイコンをクリックします。

「電源とスリープ」をクリックします。

「電源の追加設定」をクリックします。

「プラン設定の変更」をクリックします。
この画面で「省電力」のプランに変更することができます。動作周波数の設定を変更する前に「省電力」プランで様子を見てもよいかもしれません。 | ||||

「詳細な電源設定の変更」をクリックします。
※下記のリンクをクリックするとグラフィックスの設定に移動します。 ▼グラフィックスの電源管理の設定 | ||||

プロセッサーの電源管理の項目の「+」の部分をクリックします。

最大プロセッサーの状態の左にある「+」の部分をクリックします。
※プロセッサーの最大周波数を指定する場合は、下記の項目をご覧ください。 ▼プロセッサーの最大周波数の設定 | ||||

バッテリ駆動の「100%」の部分をクリックします。
今回はバッテリ駆動時のみ設定していますが、電源に接続した時の設定も可能です。 | ||||

バッテリ駆動を「99%」に設定します。
数値を設定後に「適用」、「OK」の順にクリックするとプロセッサーの設定が完了します。
プロセッサーの最大周波数の設定 |
【2017/12/03】 Windows 10 Fall Creators Update(Windows 10 Version 1709)以降は、プロセッサーの最大動作周波数の変更はできないようです。設定項目が削除されていました。 | ||||
この項目ではプロセッサーの最大動作周波数の設定をします。大まかな手順はプロセッサーの設定と同じなので、途中の電源オプション画面からご説明します。最初からの手順は下記の項目をご確認ください。
◆関連項目:プロセッサーの電源管理の設定

プロセッサーの最大動作周波数のところで任意の数値を入力します。数値を入力後、「適用」、「OK」の順にクリックし設定を完了します。画像では2500(MHz)と入力しているので、最大動作周波数が2.5GHzになりますが、設定によっては指定した数値よりも少し低めで動作する場合があります。
Core i7-7560U(最大3.8GHz)の最大プロセッサーの状態を99%に設定した場合は2.3GHzで動作するようになりますが、処理能力が少し低すぎると感じるのなら、上記のように最大動作周波数をもう少し高く設定することが可能です。
逆に、さらに消費電力を抑えたいのなら1.8GHzや2.0GHzのようなで低い動作周波数に設定することもできます。ここまで動作周波数を下げると、Webサイトのページ読み込み時に少し「もたつき」が感じられますが、通常時(3.8GHz)よりもかなり発熱や消費電力を抑えることができます。
今回はバッテリ駆動時のみ設定していますが、電源に接続した時の設定も可能です。 ※機種によっては最大動作周波数の設定ができない場合があります。 ※EliteBook x360 1030 G2(※関連記事)は、SpectreやENVY 13のようにプロセッサーの動作周波数の指定はできません。 | ||||
グラフィックスの電源管理の設定 |
グラフィックス電源管理の設定を行います。途中までの手順はプロセッサーの設定と同じなので、電源オプションの画面からご説明します。最初からの手順は下記の項目をご確認ください。
◆関連項目:プロセッサーの電源管理の設定

Intel(R) Graphics Settingsの左にある「+」の部分をクリックします。

Intel(R) Graphics Power Planの左にある「+」の部分をクリックします。

バッテリ駆動の右側の文字の部分(※画像ではBalanced)をクリックします。
※設定によって文字の部分は変わります。

「V」の部分をクリックすると設定可能な項目が3つ表示されます。
今回はバッテリーの持ちを良くするために「Maximum Battery Life」を選択します。

バッテリ駆動の設定を選んだら「適用」、「OK」の順にクリックすると設定が完了します。
今回はバッテリ駆動時のみ設定していますが、電源に接続した時の設定も可能です。 | ||||
Core i7-7560U(最大3.8GHz)を2.3GHzに設定した場合の発熱や消費電力を検証 |

日本HPのタブレットPC「HP Spectre x2」は高性能ですが、バッテリー駆動時間が約8時間(メーカー公称値)となっています。外に持ち出したときは「バッテリーの持ち」が気になるので、プロセッサーの動作周波数を下げ消費電力を抑える設定を行いました。
プロセッサーの状態を99%に設定した場合、ターボブーストが無効になりベース動作周波数に近い速度で動作するようです。HP Spectre x2 12-c000 (※速攻レビュー)に搭載されているインテル Core i7-7560U プロセッサー(ベース2.4GHz、最大3.8GHz)の動作周波数は約2.3GHzに制限されます。Core i3-7100U(最大2.4GHz)に近い動作周波数です。
【プロセッサーの状態を99%に設定した場合の動作周波数】
・Core i7-7560U プロセッサー(ベース2.4GHz、最大3.8GHz)は約2.3GHz
・Core i7-7500U プロセッサー(ベース2.7GHz、最大3.5GHz)の場合は約2.8GHz
・Core i5-7200U プロセッサー(ベース2.5GHz、最大3.1GHz)の場合は約2.6GHz
プロセッサーの動作周波数が1.5GHzも下がるので、画像処理のようなプロセッサーに負荷がかかる用途では体感で「遅い」とわかりますが、Webサイトの閲覧やメールのチェック、文書作成のような軽い用途なら十分だと思える処理能力です。
◆インテル Core i7-7560U プロセッサー製品仕様
最大プロセッサーの状態 | Core i7-7560Uの最大動作周波数 | CINEBENCH R15 |
100% | 3791.6 MHz | CPUスコア:348cb 最大温度:97℃ 平均温度:84℃ |
99% | 2295.5 MHz | CPUスコア:244cb 最大温度:63℃ 平均温度:60℃ |

※画像をクリックすると拡大表示します。
左:最大プロセッサーの状態99%(最大2.3GHz)
右:最大プロセッサーの状態100%(最大3.8GHz)
プロセッサーの動作周波を3.8GHz→2.3GHzに下げた場合、CINEBENCH R15のテストではスコアも低くなるのは当然ですが、Core i7-7560Uの動作温度は20~30℃も低下し、消費電力は18.7Wから8Wくらいまで下がりました。最大温度63℃、平均温度60℃でどうさするのでサーマルスロットリングは発生していません。 タブレットとして手で持って使用する場合、本体の発熱がかなり抑えられるので快適に使うことができると思います。 | ||||
電源管理の設定で高負荷時の発熱や消費電力を大きく抑えることが可能 |

日本HPのタブレットPC「HP Spectre x2」はバッテリー駆動時間が約8時間(メーカー公称値)と、他の機種と比較すると少し短めな印象です。それを補うために、30分で50%充電可能なファーストチャージ機能(急速充電)を搭載していますが、外で充電できない場合はバッテリー駆動時間はとても気になります。 そこで思いついたのが「バッテリー駆動時の電源管理」の設定です。プロセッサーを任意の動作周波数に調整することはできませんが、バッテリー駆動時は消費電力を抑えつつ、ACアダプタ接続時は高性能なプロセッサーの処理能力を堪能することができます。 当サイトのテストでは、プロセッサーの動作周波数を制限することで高負荷時の発熱や消費電力がかなり抑えられることを確認しました。通常の設定(100%)でもプロセッサーは負荷に応じた動作周波数にコントロールされているので、負荷が軽い作業が多い用途では「バッテリーの持ち」に関しては大きく改善されないかもしれませんが、無駄な消費電力を抑えることができます。 | ||||
【メーカー製品詳細ページ】
◆HP Spectre x2 製品詳細
◆HP Spectre x2 (スペックPDF)
【トラブルシューティング・ドライバー・使用方法など】
◆HP Spectre x2 12-c000 サポート
■レビューについて
※商品仕様/価格については2017年8月1日時点のものです。
※製品仕様やPCパーツのメーカーは販売時期により変更になる場合があります。
※温度や消費電力の測定値は目安です。使用状況や環境によって変わります。
※できるだけ客観的にレビューしようと心がけていますが、実際の商品を見たり使用したときの感じ方には個人差があります。
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