
モジュール型PC『HP Elite Slice』のレビューです。製品特徴や性能について解説しています。
【2017年6月9日】
HP Elite Slice(Core i7-6700T)の性能・消費電力を検証しました。(※関連記事)
【2017年6月6日】
HP Elite Sliceの外観や内部のレビュー記事を掲載しました。(※関連記事)
■目次(ページ内リンク) 下記のリンクをクリックすると目的の場所にジャンプします。 ※[BackSpace]キーでこの位置に戻ります。 ◆法人向けモジュール型PC『HP Elite Slice』の製品特徴 ◆HP Elite Sliceのスペック ◆HP Elite Sliceの外観・デザイン ◆内部の熱を逃がすための天面とボディーの隙間 [2017/06/05 追記] ◆Bang & Olufsenの360度スピーカーを搭載したオーディオモジュール ◆通話の機能に特化した「コラボレーションカバー」 ◆法人向けと個人向けパソコンの違いは? ◆第6世代 インテル Core プロセッサーの性能について ◆インテル HD グラフィックス 530 の性能について ◆ストレージ(SSD、HDD)の性能について ◆メモリ搭載量について ◆【まとめ】ビジネス用途では十分な性能を備えるモジュール型PC | ||||
| ||||
法人向けミニPC「HP Elite Slice」の製品特徴 |

■HP Elite Slice シリーズの製品特徴 ※2017年4月21日より販売開始。法人向けモデルですが個人も購入可能です。 ※上の画像はHP Elite Sliceオーディオモジュール付コラボレーションモデル。 【外観・デザイン】 ・カスタマイズ自在のモジュール型PC ・手のひらサイズのコンパクトな筐体 ・スタイリッシュなデザイン&カラーリング ・hpのロゴはプレミアムモデルに付けられる「スラッシュロゴ」 【性能面】 ・省電力の第6世代インテル Core i5、i7 プロセッサー搭載 ・インテル Q170 チップセット ・Core i7 搭載モデルは128GB SSDを搭載 ・PC4-17000(2133MHz) : 8GB(8GB×1) (最大32GB) ・ワイヤレスLAN:インテル 8260 ac 2x2 +Bluetooth vPro 【使い勝手・機能性・拡張性】 ・目的に応じてモジュールの組み替えが可能 ・通話の機能に特化した「コラボレーションカバー」 ・ワイヤレスでQiおよびPMA規格に対応したデバイスの充電が可能な「ワイヤレスチャージングカバー」 ・最新規格のUSB3.1 TypeCを2基搭載 【HP Elite Slice用モジュール】 ・マルチメディアの再生が可能な「オプティカルディスクドライブモジュール」 ・Bang & Olufsenの360度スピーカーを搭載した「オーディオモジュール」 ・VESA規格に対応した機器へのマウントができる「VESAマウントモジュール」 【セキュリティー】 ・BIOSへの攻撃の検知、自動修復などを行う「HP Sure Start withDynamic Protection」 ・OSやアプリケーションの改ざんを防ぐTPM2.0準拠セキュリティチップを標準搭載 ・指紋認証リーダーを搭載 ・セキュリティロックスロット搭載 【製品保証】 ・3年間 翌営業日オンサイト(訪問修理) + Elite Premium サポート 【価格・モデル】 ※最新価格はメーカー製品詳細ページをご確認ください。 【メーカー製品詳細ページ】 ◆HP Elite Slice 製品詳細 ◆HP Elite Slice(スペックPDF) 【実機レビュー】 ◆モジュール型PC『HP Elite Slice』の外観・デザイン・内部 ◆HP Elite Slice(Core i7-6700T)の性能・消費電力を検証! | ||||
| ||||
HP Elite Slice のスペック |
HP Elite Sliceはプロセッサーやメモリ、ストレージなどカスタマイズはできませんが、スペックが異なる3モデル用意されています。 ※カバーの「スラッシュロゴ」は、機能の違いを分かりやすくするために異なるカラーが採用されています。 ・コラボレーションカバー・・・・ブロンズゴールド ・ワイヤレスチャージングカバー・・・・ピアノブラック | |||||
HP Elite Slice の外観・デザイン |

「HP Elite Slice」は、コンパクト&スタイリッシュなデザインで、プレミアム感があるアッシュブラック&ブロンズゴールドのカラーリングを採用した日本HPの法人向けミニPCです。 会議でのコミュニケーションを重視した設計で、通話の機能に特化した「コラボレーションカバー」やQiおよびPMA規格に対応したデバイスをワイヤレスで充電できる「ワイヤレスチャージングカバー」を搭載したモデルが用意されています。 モジュールPC型なので、3種類のモジュール(オプティカルディスクドライブ、オーディオ、VESAマウント)などを自由に組み替えが可能です。 ◆Bang & Olufsenの360度スピーカーを搭載したオーディオモジュール | ||||

右側面には「指紋認証リーダー」を搭載。法人向けモデルは個人向けよりもセキュリティーや保証などが充実しています。 ◆法人向けと個人向けパソコンの違いは? | ||||

インターフェースは最新規格も積極的に採用。左側面にはUSB-C 3.1 チャージングポートとユニバーサルオーディオジャックを備えています。コンパクトなのでスペースを取らず、設置なども楽に行うことができます。 【サイズ】165mm(幅)×165mm(奥行き)×35.5mm(高さ)※ベースPCのみ 【質量】約1.05kg ※ベースPCのみ | ||||

背面には豊富なインターフェースを搭載。USB 3.1 ポートには従来のUSB機器を接続可能です。標準で無線LANを搭載していますが、有線接続できるLANポートも備えています。 ■背面のインターフェース ・電源ボタン ・ハードディスク インジケーター ・電源コネクター ・LANポート ・USB-C 3.1ポート ・USB 3.1 ポートx2 ・Display Port ・HDMI ・セキュリティロックケーブルスロット | ||||

Elite SliceはデスクトップPCですが「指紋認証リーダー」を搭載。Elite Sliceのボディーにはラメのような表面処理が施されているので、光が当たると星がちりばめられているように見えます。 | ||||

【画像左】 天面から見ると単純に角が丸くなっているような単純な形ではなく、美しいカーブで構成されていることがわかります。hpのロゴマークはプレミアムモバイルSpectre x360(※関連記事)と同じ「スラッシュロゴ」です。 【画像右】 底面の周囲には吸気口があります。ネジは4カ所で、通常のプラスネジが採用されています。 | ||||

ACアダプターのサイズは113mm(幅)x54mm(奥行き)x30mm(高さ)です。 | ||||

Elite SliceにはUSB接続のOADG準拠の日本語版キーボードとマウスが付属しています。 ・USBスリムスタンダードキーボード (日本語版109Aキーボード) ・USB 光学マウス | ||||
内部の熱を逃がすための天面とボディーの隙間 |

天面とボディーの間には隙間がありブロンズゴールドのスリットが見えますが、これは内部を冷却するための吸気&排気口です。スリットの内部には冷却ファンが2基搭載されています。吸気は天面下部のスリットから行い、2か所(両側面の背面よりの位置)から内部の熱を放出します。 ◆HP Elite Slice(Core i7-6700T)の性能・消費電力を検証! | ||||
Bang & Olufsenの360度スピーカーを搭載したオーディオモジュール |

Elite Sliceは目的に応じてモジュールの組み替えることが可能で、下記の3種類用意されています。上の画像はオーディオモジュールのみを接続している状態です。 ・オプティカルディスクドライブモジュール(製品番号:X8U73AA) ・オーディオモジュール(製造番号:X8U72AA) ・VESAマウントモジュール(製品番号:X8U74AA) | ||||

オーディオモジュールは、Bang & Olufsenの360度スピーカーを搭載し、双方のノイズキャンセリング機能、集音範囲5mのデュアルマイク、 音声のボリュームバランスを自動調整するHP Audio Boostに対応しています。 Elite Slice本体とモジュールの接続はケーブルやネジなどは不要でとても簡単です。モジュール上にElite SliceベースPCを乗せて「カチッ」とはまると接続が完了します。 | ||||

モジュールコネクター(モジュール間の通信はUSB Type-C)でElite Slice本体とモジュールが接続されます。 | ||||

オーディオモジュールは底面のボタンを押すことで取り外すことができます。 | ||||
通話の機能に特化した「コラボレーションカバー」 |

Elite Sliceのカバーは「コラボレーションカバー」と「ワイヤレスチャージングカバー」の2種類用意されています。画像は「コラボレーションカバー」搭載モデルで、PCの電源を入れると通話の機能のランプが点灯します。 ■コラボレーションカバー ・通話ボタンを押すだけで会議の開始、参加などができる。 ・ミュートや音量などを調整可能。 ・Intel Unite を搭載しワイヤレスで複数の画面共有。 ■ワイヤレスチャージングカバー ・ワイヤレスでデバイスの充電が可能。 ・QiおよびPMA規格に対応。 | ||||
法人向けと個人向けパソコンの違いは? |

法人向けと個人向けパソコンの違いは、セキュリティに関する機能と保証、PCリサイクルマークなどです。個人向けモデルは標準で1年保証ですが、Elite Sliceには3年間 翌営業日オンサイト(訪問修理) + Elite Premium サポートが標準で付属しています。 ■HP Elite Premium サポート(HP エリートプレミアム サポート) ・専用の回線設置により迅速なサポート対応。 ・長い受付営業時間(平日は8:00-21:00、土曜日は8:00-17:30) ・一つの窓口で操作方法から修理受付を行います。 ・本サポート専用のスタッフが国内で対応。 ・修理時間の短縮(修理センター到着からお届け手配の完了までを3営業日で実施) ◆プレミアムサポート詳細 PDF | ||||

■インテル vPro テクノロジー インテルvPro テクノロジーはCPUとチップセットに組み込まれている機能で、パソコンに電源が入っていない状態でも常にリモート管理が可能となります。vProのロゴラベルは、ネットワーク管理機能やセキュリティ機能などが強化された企業向けのPCに付けられています。 ◆インテル vPro テクノロジーの詳細 | ||||

■法人向けモデルはセキュリティー関連の機能が充実 Elite Sliceは指紋認証リーダー、自動修復を行うことができるBIOS、セキュリティチップなどを搭載し、個人向けPCよりもセキュリティを強化しています。 ・BIOSへの攻撃の検知、自動修復などを行う「HP Sure Start withDynamic Protection」 ・OSやアプリケーションの改ざんを防ぐTPM2.0準拠セキュリティチップを標準搭載 ・指紋認証リーダー搭載 ・セキュリティロックスロット搭載 | ||||

法人向けモデルには「PCリサイクルマーク」がついていませんが、カスタマイズで選択可能です。 | ||||
第6世代 インテル Core プロセッサーの性能について |
ベンチマークスコアはPassMarkから抜粋しています。あくまでも目安としてご覧ください。

Elite Sliceは第6世代のインテル Core i7-6500T、Core i7-6700T プロセッサーを搭載したモデルが用意されています。いずれも型番末尾に「T」が付く省電力タイプですが、インターネットやオフィスソフトなどの用途では十分な性能があります。
Core i7-6700TはCore i7-7700と比較すると性能は少し低くなりますが、最大動作周波数3.6GHz、4コア8スレッドのプロセッサーなので、画像処理や動画のエンコードのようなマルチコアに対応したアプリケーションを使用する場合は、Core i7-6500Tよりも高い処理能力を発揮します。
◆デスクトップPC「プロセッサー性能比較表」
プロセッサー名 | ベース周波数 | コア数 | キャッシュ | ||
Intel Core i7-6700T ◆製品仕様 | 2.8 GHz | 4 | 8 MB | ||
最大周波数※ | スレッド数 | TDP | |||
3.6 GHz | 8 | 35 W | |||
※型番末尾に「T」が付く省電力プロセッサー | |||||
プロセッサー名 | ベース周波数 | コア数 | キャッシュ | ||
Intel Core i5-6500T ◆製品仕様 | 2.5 GHz | 4 | 6 MB | ||
最大周波数※ | スレッド数 | TDP | |||
3.1 GHz | 4 | 35 W | |||
※型番末尾に「T」が付く省電力プロセッサー | |||||
インテル HD グラフィックス 530 の性能について |
ベンチマークスコアはPassMarkから抜粋しています。あくまでも目安としてご覧ください。

インテル HD グラフィックス 530はインテルプロセッサーに内蔵されているGPUです。インターネットや動画の視聴などでは十分な性能があります。
ゲーム向きではないのでファイナルファンタジーやGTA5のようなゲームを快適にプレイするのは厳しい性能ですが、軽めのドラクエXのようなゲームならとりあえずプレイ可能です。
◆日本HPのデスクトップPC「グラフィックスカード性能比較表」
ストレージ の性能について |

※このベンチマークはHP Elite Sliceの実機で行ったものです。画像をクリックすると拡大表示します。
Elite SliceのストレージはCore i5-6500T搭載モデルが500GB HDD(SATA/600,7200rpm)、Core i7-6700T搭載モデルは128GB SSD(SATA/600)を搭載しています。
HDDでもそれなりには使えるのですが、SSDの方が起動時間が短く操作時のレスポンスが良いので快適です。実機のテストでは128GB SSD搭載モデルの起動時間は約18秒でした。
メモリ搭載量について |

Elite Sliceに搭載されているメモリはPC4-17000(2133MHz)で、メモリ容量のカスタマイズはできませんが全てのモデルが8GBを搭載しています。インターネットやオフィスソフトなどの用途では十分すぎる容量です。
画像処理で非常に大きいサイズの画像で多数のレイヤーを使用しながら作業を進める場合や、複数の画像処理ソフトを立ち上げたまま作業する場合は8GBでは足りないかもしれませんが、取り扱うデータサイズがはがきサイズ~A4程度で、レイヤーや取り消し回数などが少なめなら8GBでも作業は可能です。
◆パソコンにどれくらいメモリを搭載すればよいのか?
ビジネス用途では十分な性能を備えるモジュール型PC |

HP Elite Sliceは法人向けでありながらデザインにこだわった製品です。Spectre x360(※関連記事)のようなアッシュブラック&ブロンズゴールドのカラーリングを採用し、プレミアム感があるスタイリッシュな仕上がりになっています。ボディーの素材は樹脂でつやが少ないのですが、側面には光を当てると星をちりばめたようなラメ感がある表面処理が施されています。 第6世代インテル Core i5-6500T、Core i7-6700T プロセッサー、8GBメモリを搭載しているのでビジネス用途では十分な性能です。128GB SSD搭載モデルは、OSなどを除くと空き容量が87GBくらいになるので、画像や動画などのデータを多数保存する場合は外付けストレージが必要になると思います。 Elite Sliceのプロセッサーやメモリ、ストレージなどのスペックだけを見ると個人向けモデルよりも少し割高感がありますが、会議で使用する通話機能(またはワイヤレスチャージ機能)を搭載し、法人向けモデルならではのセキュリティー機能や保証・サポートなどが充実しています。 | ||||
【メーカー製品詳細ページ】
◆HP Elite Slice 製品詳細
◆HP Elite Slice(スペックPDF)
【HP カスタマーサポート-ソフトウェアおよびドライバーのダウンロード】
◆HP Elite Slice サポート
◆HP Elite Slice(ミーティングルーム用)サポート
【実機レビュー】
◆モジュール型PC『HP Elite Slice』の外観・デザイン・内部
◆HP Elite Slice(Core i7-6700T)の性能・消費電力を検証!
【関連記事】
◆【速攻レビュー】HP Elite Sliceの製品特徴・性能について
■レビューについて
※商品仕様/価格については2017年5月27日時点のものです。
※製品仕様やPCパーツのメーカーは販売時期により変更になる場合があります。
※温度や消費電力の測定値は目安です。使用状況や環境によって変わります。
※できるだけ客観的にレビューしようと心がけていますが、実際の商品を見たり使用したときの感じ方には個人差があります。
- 関連記事
-
-
HP Elite Slice(Core i7-6700T)の性能・消費電力を検証! 2017/06/09
-
【詳細レビュー】スタイリッシュなミニPC『HP Elite Slice』の外観・内部 2017/06/06
-
【速攻レビュー】HP Elite Sliceの製品特徴・性能について 2017/05/27
-
カテゴリ
タグ