HP Spectre x360 13-ac000 パフォーマンスモデルで、「Spectre アクティブペン」の描き味や正常に動作するペイントソフトをチェック!
HP Spectre x360 13-aw0000(2019年12月モデル)で「Surfaceペン」や「BAMBOO Ink」を試す!⇒ 実機レビュー
HP Spectre x360 パフォーマンスモデルに付属しているアクティブペンをテスト
以前に、フルHDディスプレイを搭載したHP Spectre x360 13-ac000ベーシックモデルやスタンダードモデルでSurfaceペン(Surface Pro 4対応)を使用できることを確認しましたが、今回はHP Spectre x360パフォーマンスモデに付属のペンの「描き心地」を試してみます。 ※Windows 10 クリエイターズアップデートを適用してテストしています。 【関連記事】 ◆新型「HP Spectre x360」の製品特徴・性能について ◆HP Spectre x360 ベーシックモデルで「Surface ペン」を試してみる | ||||
「Spectre アクティブペン」の仕様
Spectre アクティブペンはスタンダードプラスモデルとパフォーマンスモデルに同梱されています。ペアリングなどの面倒な接続設定などは必要なく、ペンに電池を入れるだけで使うことができます。 ■Spectre アクティブペンの仕様 ・Microsoft Penプロトコルに対応 ・1024段階の筆圧検知 ・サイズ(長さ・直径):138×9.5mm ・質量:16g (電池を含む) ・電池:単6形電池(AAAA)×1同梱 ・カラー:ナチュラルシルバー ・保証:1年間 ※製品本体の標準保証期間を延長した場合でも、アクティブペンの保証は1年間となります。 ◆Spectre アクティブペン 製品詳細 | ||||
ペン本体の形状は円筒型で、表面には「梨地処理」が施されています。独立した2つのボタンには「HP Pen Control」で機能を割り当てることが可能です。手よりもペン先を優先して感知する「パームリジェクション機能」も備えています。 電池を含めた重さは約16gで、Surface Pro 4対応のSurface ペン(約21g)よりも軽量です。たった数グラムの違いですが、持ち替えて重さを比べてみるとSpectre アクティブペンの方が明らかに軽く感じます。 カーソルは画面からペンを1cm程度離している状態でも動かすことが可能で、ペン先を画面の長押しすると「右クリック」として動作します。 ベーシックモデルとスタンダードモデルにはペンが付属していませんが、2017年5月中旬頃からアクティブペン(ナチュラルシルバーのみ)をカスタマイズで選択できるようになりました。また、アクセサリーのページから単体で購入することも可能です。 ◆「Spectre アクティブペン」のカスタマイズや単品での購入が可能に | ||||

キャップの部分を外してから単6形電池をペン本体に挿入します。 | ||||

アクティブペンはパームレストのマグネット部分にくっつきます。 | ||||
「Spectre アクティブペン」とSurface Pro 4対応「Surfaceペン」の違い
※上:Spectre アクティブペン、下:Surfaceペン(Surface Pro 4対応)
【Spectre アクティブペンの仕様】 ・ペンのサイズ(長さ・直径):138×9.5mm※円筒形 ・ペンの重さ:16g (電池を含む:当サイトの計測でも16g) ・1024段階の筆圧検知 【Surface Pro 4対応 Surfaceペンの仕様】 ・ペンのサイズ(長さ・直径):144 x 9.5 x 10.2 mm ・ペンの重さ:20g(電池を含む:当サイトの計測では21g) ・筆圧検知:1,024 段階 ■「Spectre アクティブペン」とSurface Pro 4対応「Surfaceペン」の違い ・ペン先の硬さ ペン先はSpectre アクティブペンの方が硬めで、Surfaceペンの方が柔らかい感触です。どちらが良いかは好みの問題だと思います。 ・ペンのサイズや重さ Spectre アクティブペンの方が少し短めで、重さが約5g軽量です。たった数グラムの違いですが、持ち比べてみるとSurfaceペンの方が重いと感じます。 ・ペンの形状 Spectre アクティブペンは円筒形ですが、Surfaceペンはサイドスイッチがあるところが平面になっています。 ・トップボタン Surfaceペンにはペン先の反対側にトップボタンを備えていますが、Spectre アクティブペンにはありません。 ・サイドボタン 機能を割り当てることができるペンの側面のボタンは、Spectre アクティブペンが2つ、Surfaceペンは1つです。 ■Spectre アクティブペンとSurfaceペン共通の特徴 ・筆圧検知 いずれもMicrosoft Penプロトコル(N-Trig)を採用したペンで、筆圧検知は1024段階で強弱の反応は同じです。適度な筆圧で描けば強弱に反応してくれますが、画面を撫ぜるような非常に弱い筆圧や、ササっと描くような状況では反応しない場合があります。 ・使用できるペイントソフト 使えるペイントソフトは両ペン共通で、CLIP STUDIO PAINT PRO(クリスタ)やAdobe Photoshop CCなどでは筆圧感知しましたが、Painter 2017、Windows10付属のペイントなどは筆圧の強弱を全く反応しませんでした。 ◆HP Spectre x360 ベーシックモデルで「Surface ペン」を試してみる | ||||
Windows Ink ワークスペースの「スケッチパッド」を試してみる
Windows 10 Creators Updateで追加されたペイント3Dで「Spectre アクティブペン」の書き心地を試してみます。 以前テストしたSurface ペン(Surface Pro 4対応)よりもペン先は硬めで抵抗感が少ないので、ペン先を速く動かしてサッサと描きやすい印象です。 筆圧の強弱の反応は特に問題ないのですが、非常に弱い筆圧(画面にペン先が触れる程度)で描いた場合は、線が途切れることがあります。 | ||||
Windows 10 Creators Updateで追加されたペイント3D
Windows 10 Creators Updateで追加された「ペイント3D」も筆圧を感知しますが、他のソフトと比較すると細い線が描きにくい印象です。最小値があまり細くない設定になっているのかもしれません。ペン先を素早く動かしたときの遅れも少し気になりました。 | ||||
CLIP STUDIO PAINT PROで書き心地をテスト
「CLIP STUDIO PAINT PRO(クリスタ)」は多彩な機能を搭載したお手頃価格のペイントソフトです。
画面を撫でるような微妙な筆圧では線が途切れてしまったり、「ペンの入り」が良くないと感じることがありますが、強く押し付けて描く必要はありません。適度な筆圧を与えれば筆圧の強弱に素直に反応しています。
アクティブペンはパームリジェクション機能(※関連項目)を備えているので、手の側面を画面に置いた状態でもペン先が優先されます。実際にペイントしていて、思いもよらない場所に点や線が引かれることはありませんでした。
求めるペンの反応速度は個人差がありますが、印刷用の画像サイズ(A4, 2894x4093px, 350dpi)で適当に速くペン動かしてもそれなりについてきてくれるので、お絵描きはできると思います。ペイントしたときのフィーリングは、今回テストした中では「CLIP STUDIO PAINT PRO」が最も良かったです。
CLIP STUDIO PAINT PROで筆圧感度を好みに調節することが可能です。
Adobe Photoshop CCも筆圧を感知
Photoshop CCはアドビの画像編集ソフトです。筆圧感知は問題ありませんが、画面を撫でるような非常に弱い筆圧では反応しないので、適度な筆圧を与える必要があります。パームリジェクション機能も正常に動作しています。
筆圧を感知しないペイントソフト(Painter 2017、Windows10付属のペイントなど)
最新版「Painter 2017」は筆圧感知しませんでした。筆圧を調節するためのブラシトラッキングでも、描点が一定の大きさしか入力されません。このソフトはWacom系のペンが使えるパソコンやペンタブレットでは使えますが、Microsoft Penプロトコルには対応していないようです。
Windows10に付属している「ペイント」も筆圧を感知しません。線が一定の太さになってしまいます。
パームリジェクション機能について
「Spectre アクティブペン」は、画面に手の平を置いた状態でもペン入力が優先されるパームリジェクション機能を備えています。
Windows 10のペン設定画面では「ペンの使用時のタッチ入力を無視」は初期設定で「オフ」になっていますが、そのような状態でもパームリジェクション機能は動作しているので、お絵描きをしていて特に問題がなければ「オン」に変更する必要はないと思います。
■パームリジェクション機能 ペン入力時に手の平などが画面に触れてもペン入力が優先される機能です。 | ||||
Windowsのタスクバーの画面右下にある「アクション センター」のアイコンをクリック。
「すべての設定」をクリック。
「デバイス」をクリック。
「ペンとWindows Ink」をクリック。
この画面でペンの設定が可能です。「ペンの使用時のタッチ入力を無視」の項目は初期状態ではオフになっていますが、必要に応じてオンに設定します。
ペンボタンへの動作の割り当てが可能な「HPペンコントロール」
HPペンコントロールはアクティブペンのボタンを設定するアプリです。筆圧感度を調整する機能はないので、感度の調整は使用するソフトで行うしかなさそうです。
◆HP ペンコントロール
上ボタンへの動作の割り当ては、予め用意されたものから選択します。[Ctrl]+Cのようなキーストロークを割り当てることはできません。
下ボタンへの動作の割り当ても、予め用意されたものから選択します。
お絵描きできる性能を備えた「Spectre アクティブペン」
「Spectre アクティブペン」は1024段階の筆圧検知、ペン先の入力を優先するパームリジェクション機能など、イラストを制作できる性能を備えています。 このペンはWacom系ではなくMicrosoft Penプロトコルを採用しているのですが、一部に動作しないペイントソフトがあるので注意が必要です。今回テストしたCLIP STUDIO PAINT PROやAdobe Photoshop CCなどは、筆圧感知、パームリジェクション機能などは正常に動作していました。 ペン先は以前テストしたSurface ペン(◆関連記事)よりも硬めで、Spectre アクティブペンの方がペン先の滑りが良い(抵抗感が少ない)描き心地です。 画面を撫でるような非常に軽い筆圧領域での反応(1gON荷重)や描き心地はワコムのイラスト専用ツール(ペンタブレット)には1歩及びませんが、そこまでの性能を求めないのならSpectre x360のアクティブペンでもお絵描きは可能です。 ベーシックモデルとスタンダードモデルにはアクティブペンが付属していませんが、2017年5月中旬頃からカスタマイズでの選択や単品購入が可能(カラーはナチュラルシルバーのみ)になっているので、Spectre x360でお絵描きしてみたい方は検討してみても良いと思います。(◆関連記事) | ||||
【メーカー製品詳細ページ】
◆HP Spectre x360 製品詳細
◆HP Spectre x360(スペックPDF)
【HP Spectre 13-ac000 x360 サポート】
◆トラブルシューティング・ドライバー・使用方法など
◆HP Spectre x360(ユーザーガイドPDF)
【実機レビュー】
◆HP Spectre x360 (アッシュブラック)の外観・デザイン
◆HP Spectre x360 (ナチュラルシルバー)の外観・デザイン
◆HP Spectre x360 (Core i5-7200U)の性能・消費電力を検証!
◆HP Spectre x360 の専用化粧箱&付属品
◆HP Spectre x360 ベーシックモデルで「Surface ペン」を試してみる
【展示機レビュー】
◆新型「HP Spectre x360」の製品特徴・性能について
【関連記事】
◆新型「HP Spectre x360」vs薄型軽量「HP Spectre 13」徹底比較!
◆新型 HP Spectre x360 のカラーはどちらが好きですか?

◆「Spectre アクティブペン」のカスタマイズや単品での購入が可能に
■レビューについて
※商品仕様/価格については2017年5月20日時点のものです。
※製品仕様やPCパーツのメーカーは販売時期により変更になる場合があります。
※温度や消費電力の測定値は目安です。使用状況や環境によって変わります。
※できるだけ客観的にレビューしようと心がけていますが、実際の商品を見たり使用したときの感じ方には個人差があります。
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